ぐいぐい行かない、アピール苦手。日本人とフィンランド人は似ているの?

今年4月27日に日本で発売予定の「Finnish Nightmares(原題)」。日本語タイトルが『マッティは今日も憂鬱ーフィンランド人の不思議』に決まり、本の制作作業は現在、最後の段階に差し掛かっています。

チェック中のゲラ。原書の英文を残しつつ、日本語をどこに置けば読みやすいか、デザイナーさんが色々と考えてくださっています。

チェック中のゲラ。原書の英文を残しつつ、日本語をどこに置けば読みやすいか、デザイナーさんが色々と考えてくださっています。

さて、主人公である「典型的なフィンランド人」マッティは、シャイで、はにかみ気味で、もの静かで、自己主張はちょっと苦手。そして、日々さまざまな、「憂鬱」に遭遇します。

典型的なフィンランド人について綴られた本作ですが、不思議なことに、日本人の方々から、「共感する!」という声がよく聞かれます。

◇あなたは共感する?「フィンランド人マッティの憂鬱」

実際、どのあたりが日本人と似ているのでしょうか。以下のシチュエーション、あなたは、共感しますか?しませんか?


■マッティの憂鬱--#1 「質問はあるけど、スポットライトは浴びたくない」

 ©Finnish Nightmares / Karoliina Korhonen(オリジナル版”Finnish Nightmares”より)

 ©Finnish Nightmares / Karoliina Korhonen(オリジナル版”Finnish Nightmares”より)


■マッティの憂鬱--#2  「自己アピールをしないといけない」

©Finnish Nightmares / Karoliina Korhonen(オリジナル版”Finnish Nightmares”より)

©Finnish Nightmares / Karoliina Korhonen(オリジナル版”Finnish Nightmares”より)


■マッティの憂鬱--#3  「褒められる」

©Finnish Nightmares / Karoliina Korhonen(オリジナル版”Finnish Nightmares”より)

©Finnish Nightmares / Karoliina Korhonen(オリジナル版”Finnish Nightmares”より)


いかがでしたか?

みんなの前でほめられて。「そうなんです!オレという人間はですね・・・」と得意げに語れる人も中にはいますけれども、それよりも、マッティのように、つい謙遜してしまう人、「○○さんのおかげです、自分は運がよかっただけです」などと小さな声で答える人、そもそも自分の手柄であっても口に出せないままシンとしている人・・・そんな人々のほうが、多いのではないでしょうか。

フィンランド人と日本人の共通点については、フィンランド大使館の方も、R25のインタビューの中で以下のように述べています。

「日本とフィンランドって共通点も多いと思いますよ。じつはフィンランド人ってシャイで、自己アピールが下手なんですよ。」

「ガツガツしたアピールに抵抗があるんですね。だから、どうしても『自虐』の方向に走る傾向が…(笑) でも、そんな自国民への理解がとってもユーモラスなんです」

--R25「フィンランド大使館Twitterの“自由すぎる”運用の裏側」より

 

◇フィンランド人も「俺って日本人と似てる・・・」と感じている。

一方、フィンランドのかたも日本人に対して、「似てる・・・」という印象を抱いています。2017年2月、ノーザンライツフェスティバルのために来日したフィンランド人映画監督、アンティ・ハーセさんは、日本に初めて来た感想を尋ねられ、「フィンランド人と日本人は共通点が多く、似ているように感じました」と答えていました。

 

◇日本人とフィンランド人が抱える共通の”悩み”

なぜ、日本人とフィンランド人は「似ている」と感じるのでしょうか。その答えを探す旅には長い時間がかかりそうな気がしていますが、今日は1つ、興味深い考察をご紹介します。

それは、フィンランドで50年以上暮らした経験を持つイギリス人の作家、リチャード・D・ルイスさんの言葉です。彼は著書「Finland, Cultural Lone Wolf」 のなかで、こんな言葉を記しています。

「フィンランド人のジレンマは、彼らが、西洋的価値観の持ち主でありながら、アジア的なコミュニケーションのベールをまとっていることだ」

このルイスさんの言葉をヒントに考えてみるなら、フィンランド人と日本人は、「おなじ種類のジレンマ」を共有しているのかもしれません。

アジア的なコミュニケーションと、西洋的価値観とのあいだで、揺れ動いているフィンランド人。

会社や学校でしばしば、「西洋的価値観で振るまうことを強いられる」、日本人。

つまりはアジア的スタイルと、西洋的価値観の狭間で揺れ動くときに生じる「なんとなく落ち着かない気持ち」が、フィンランド人と日本人が共有する「憂鬱」の、1つの正体なのかもしれません。

 

それはさておき、「マッティは今日も憂鬱」はただシンプルに、くすっと笑えて癒やされる、チャーミングな本です。「今日も憂鬱」といいつつ、読むとなぜか、憂鬱な気持ちが解きほぐされて、楽になるんです。シャイで不器用なご友人への贈り物にも最適ですよ。

I've heard that Finnish Nightmares book is often given as a souvenir. It might work as a Christmas gift too.

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今日ご紹介したのとは反対に、この本を読んでいると、「日本人とフィンランド人って違うんだなあ〜」と感じる面もあるので、それについてはまた後日紹介できればと。

それでは、また。

P.S. Amazon予約ができるようになりました(こちら)&Twitterもやっています。

マッティは今日も憂鬱
By カロリーナ・コルホネン

※【お知らせ】全国書店で『マッティは今日も憂鬱』をお買い上げいただいた方には特典のプレゼントがあるそうです。詳細は追ってお知らせいたします。(ネット書店での配布はございませんことどうかご了承ください。)