個人的な、本の裏話

実に多くの人の助けがあって、「マッティは今日も憂鬱-フィンランド人の不思議」という本を、4月27日に、無事、世の中に送り出すことができました。より多くの人に本を届けるという意味では、まだこれから長い旅が続きますが・・・。少なくとも本は完成して私の手を離れたわけで、あとは、マッティ、広い世界で自由に羽ばたいてね!という気持ちです。

週末には、大きなPOPを描いて下さったヴィレッジヴァンガードお茶の水店に実際に足を運んでみました。もちろん、あまり人のいない時間帯に、こっそりと・・・。

私はよく、本やドラマや映画のなかのキャラクターのなかに、仲良くなれそうな人・話があいそうな人を見つけると、嬉しくて、それこそ、孤独が癒やされるのを感じます。そういう瞬間のために本に手を伸ばすといっても過言ではありません。

ヴィレッジヴァンガードお茶の水店で、大きなマッティのイラストと、「めっちゃ仲良くなれる気がする」という書店員さんの言葉を見て、こうやって本を通じて、会ったことのない人同士が共感したり、つながったりすることができるんだよなあ、と改めて思いました。

愛情を持って本を並べて下さったお店の方々、Twitterやメールなどで感想を下さった方々、本当にどうもありがとうございます。

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ところでちょっと個人的なお話。

今回の本は、”北欧・フィンランド”でベストセラーになった、シャイな”フィンランド人”を描いた本、ということでまずは売り出していますが。

私としては、実は以前から、北欧という切り口とは関係なく、ある大きな思いがありました。

それは、人のキャラクターや個性というものについて、
"こうあるべき" や、
"こちらの方が優れている"
という一元的な価値基準が、もし人々の無意識の中にあるとしたら、そこに一石を投じたいという気持ちです。


すなわち、
おしゃべりが上手で、社交上手で、愛想が良く、自己アピールも上手…といった性質は、しばしば学校や会社の中で、「良きもの」としてスポットライトをあびやすいですけれど、
その逆にあるものだって、ありのまま肯定したい。

いや、単なる肯定以上に、なんて愛すべきものなんだと、言いたい!!
…という気持ちが常々あって。


そこに、Finnish Nightmares という原作とめぐりあって(その当時はまだブログで、本国でも本にすらなっていなかった)、私の思いにすごくシンクロする!と思って、それからなんやかんやあったりなかったりした時を経て、出版者・方丈社の方々の多大なる尽力があって、翻訳出版が実現したのでした。

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なんて裏話をなぜ書いたかというと、”北欧”には興味のない知人が本書を読んで、「これって〇〇という、あなたが大事にしている世界観の本だよね。そこに共感する」と、まさに私が意図していたことをコメントしてくれた人がいたから!
本について、本の外であれこれ書くのは野暮な気がしたのと、読者には自由に読んで欲しかったので、あまり個人的な思いについて説明するのは避けていたのですが、今さらながら、少しだけ説明してみました。笑

私は、北欧諸国の人々や文化について、並々ならぬ愛情を持っていますし、それについて研究することにも並々ならぬ情熱を持っていますが(恐らくこれはライフ・ワーク)、ただ、私にとって北欧は、より素敵な世界を実現するための、あくまでアプローチの1つ。だから今回の本も、入り口としては北欧に興味がある・ないに関係なく、読んでもらえるところまでいけたら・・・本望なのです。

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不器用な人、口べたな人、人との距離感がうまくつかめない人、馴れ馴れしくできない人。あるいは、その逆の人。色々な人がいて、社会に出たら、色々な人とうまくやっていくために、ちょっとは無理したりしなければいけない場面もどうしてもあるわけです。

でも、必要があってそのときだけ無理するのと、自分の個性を根本から否定するのとは、全然違います。

学校や会社や人づきあいで、必要があってちょっと無理しているうちに、自分の自然な姿を見失って疲れてしまった人。

そんな人に、「マッティ」が届いたらいいなあーなんて、思います。

「こうあらねばならない」という、人が無意識のうちに自分に課している「かせ」をほんの少し、本を読んでいる時間のあいだだけでもいいから取り払ってくれたら。その人が自然のままの自分を肯定して、ほっとすることができたら・・・。

そんなときに、マッティが側にいてくれたら、いいな。

あとは、マッティに、任せた!たくさんの日本人読者と出会っておくれ〜✨️

吉祥寺パルコブックセンターにて

吉祥寺パルコブックセンターにて

マッティは今日も憂鬱
By カロリーナ・コルホネン