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Haruka Yanagisawa / ライター&翻訳業/ 北欧、キャリア、働き方、ジェンダー、コミュニケーションなど

天職はひとつとは限らない。

天職はひとつとは限らない。

これまで仕事や働き方について悩まなかった日はないというほど「キャリア」は私の永遠のテーマ・・・

そのためキャリア系の実用書ってホント〜によく読むのですが(その一部はhontoの書評に書いてます)、最近久々に感動する本に出会った!

 

『マルチ・ポテンシャライト--好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』

 

悟ったのだが、私は「ひとつの会社で一生」と同じくらい、「1種類の仕事にずっと専念」がどうも苦手なようなのだ・・・。「複数の仕事をするのは、自分が未熟なせいで、いつかは1つになるはず」と思おうとしてきたが、どうやら、違うのかも。「複数やるのが合っている人もいるよ」というのが、この本がいう「マルチ・ポテンシャライト」という概念なのだ。

私はこれまで、映画、IT、人材教育、の3つの業界で会社員をして、そのあとライターや翻訳をしながら週の半分ほど企業で働く、「組み合わせ型」の働き方になった。それだけでも「結局お前は何がしたいんや!!」と言われそうなのだが、実はさかのぼれば、学生時代は演劇に熱を上げていてそっちの世界で仕事をしたいと思っていた。社会人になってからも、脚本の学校に通ったりコンクールに応募したり、作詞や作曲も好きでバンドを結構続けていました。「依頼を受けて社歌を作る仕事」とかできるのではないか?と思ったこともあったが、まあ、そっちはあくまで趣味で仕事にはならなかった(せいぜい誰かの結婚式にオリジナルの曲をプレゼントするくらい・・・・・・)。

今思えば、過去のさまざまな経験はゆるやかに溶けあって、今の仕事に活かされているように…感じる。 

しかし、上記のような経歴、「節操なさ過ぎ!」といわれてもおかしくないし、自分でも、なんでそうなんだろうと思っていた。自分の気持ちとしては常に一環しているのだけど、仕事として表面に出てくる活動は、1種類にならない。自分は浮ついた人間なのではないか?1つに落ち着かないのは大人げがないのではないか?今の自分が不十分なだけで、いつかは1つに専念し続ける日が来るのでは…?と。それに、1つのことをゴリゴリやっている人には到底叶わない、というコンプレックスもある。

そしてなんといっても世の中的に、「1つのことに専念することが善」という価値観は主流で根深い。「天職はひとつ」信仰なのだ。

「器用貧乏」などという揶揄的な言葉もあるほど。どうして貧乏って決めつけるのさ?!って感じだけど、こういう言葉の力って人々の潜在意識にしっかり影響していて、強いんだよね。 

 

一極集中が尊ばれるのって日本特有なの?とも思っていたけど、少なくともこの本の著者(アメリカの人)の周りでも、同じ悩みはあるようだ。「キャリアは1つ」という価値観が主流のために、複数の異なる仕事を同時または次々に行う人は少なからず「後ろめたさ」「自信のなさ」などの問題を抱えるのだそう。多くのキャリア教育が「1つの仕事に落ち着く」ことを前提にされているため、マルチ・ポテンシャライトは自分に合ったキャリアアドバイスを得られにくいという問題も。

 

この本を読んで私は、「世の中には、順次または同時に複数やるのが合っている人がいる」という事実を知りました。そして「マルチ・ポテンシャライト」と名前を与えられたことで、随分見通しがよくなった。より前向きに自分の現在と今後のキャリアを考えられるようになった。

この本によると、私はマルチ・ポテンシャライトのなかでも、何年かごとに猛烈にのめり込んだ後職種を変える「フェニックス型」を長いこと経験し、ここ数年は、同時に複数をかけもちする「スラッシュ型キャリア」に分類されるようだ。(詳細は本を読んでね)

ああ、「概念に名前を与える」ことの偉大さよ!!(とても繊細な人を表す「HSP」という言葉が出て来たときも、救われたなあと思いました。)

名前が与えられることによって存在に肯定感が生まれるし、メリットもデメリットも、整理しやすくなる。

(私もいつかそういう発明がしたい・・・・・・。)

 

パートタイムの仕事はフルタイムで雇用されるより格下だ、と考える人たちもいるが、スラッシュ型キャリアリストにとっては、パートタイム+パートタイム+パートタイム+パートタイム=夢、なのである。 (『マルチ・ポテンシャライト--好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』エミリー・ワプニック著/長澤あかね訳 より)

 

この感覚にすごく、共感しました。私が複業スタイルに行き着いたのは2つの要因があって、1つはもちろん、「1つだと窮屈に感じ、複数が心地良い」から。これが主な理由だけど、もう1つ見逃せないのが、「日本でフルタイム会社員になると、漏れなく長時間労働がついてくる」という現実。変化の兆しはわずかにあるとはいえ、まー、変化のスピードが遅いよね。変化を待っていたら自分の人生が終わる。自分の価値観や体力・気質(HSPのため消耗しやすいというのもある)の関係で、長時間労働が、「合わない」を通り越して「無理」だったのだ。もし日本のすべての会社で「定時が当たり前&複業が禁じられない」の世界に生きていたら、私は仕事を複数組み合わせるフリーランスではなく、「定時で帰る会社員としての仕事+個人の仕事+趣味活動」みたいな3本柱の設計で、そこそこ幸せになれただろうなと思う。なにも、大変さを引き受けてフリーランスにならなくても・・・

つまり私の場合、マルチ・ポテンシャライトは積極的な選択としての働き方が7割、同時に、「今の日本で私が生きて行くにはこうするしかない」という環境要因が3割といった感覚でしょうか・・・。

という事情の中、しかし「そんな自分ってヘンなのかな?」という気持ちをうっすら抱いていたところ、この本のおかげで、自分の気持ちにフタをせず、正直に、自分なりのキャリアを切り拓いていこうじゃないかという気持ちになることができました。私がまさに必要としていた、すてきな本。

 

あー、こういう本を書いたり翻訳したりしたいものだ。それも私の、「やりたい仕事リスト」に入っているよ。(それ以外の、私が最近興味あるテーマは文末に。※常としてこうしたリストは変動することがあるものだけれど)

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<いつか着手可能性があるし、そうじゃないかもしれない私の「興味ある仕事や分野」>

・HSP(Highly Sensitive Person)の人の暮らしを楽にするための活動(執筆、翻訳、あるいはそれ以外の)

・キャリア開発に関わるもの(執筆、翻訳、あるいは人の相談に乗るとか)

・「勉強は楽しい」というテーマを掘り下げる執筆や、教育に関わる活動(私は生まれてこのかた、勉強がずっと好きだからです)

・「人を癒やす」につながること全般(我ながらざっくりやな・・・たとえばアロマとかの勉強だったりヨガだったりハーブだったり東洋医学だったり音楽だったり、あるいは「言葉の持つ力」に注目することかもしれない。色々な分野を勉強して、複数を横断的に統合することにより、最終的になんかすばらしい方法が発明できたりしないかな?!とても時間がかかりそうな企みである。)

・アウトドア、自然と触れあう活動にまつわるあれこれ(これまたざっくりやな・・・)

要するに、すべては人の心にほんの少しの潤い、癒やし、豊かさをもたらすなにかをやりたいのだ。

そのための方法は問わない。そんな感じで旅はつづく。


ノルウェーは恩人

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