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Haruka Yanagisawa / ライター&翻訳業/ 北欧、キャリア、働き方、ジェンダー、コミュニケーションなど

昔の日記②/ ラジオ 豊かさのある場所

昔の日記②/ ラジオ 豊かさのある場所

5年の時を経て突如タイムカプセルのごとく発見された昔の私のブログ日記。整理の方法に困っていますが、当時好きだった「Rocketman show」というラジオ番組について書いた日記があり、勿体ないのでここに貼っておくことにしました。


Title: ラジオ 豊かさのある場所

September, 28, 2014


J-WAVEで8年半続いてきたラジオ番組が今日終わった。

聞き始めた時は大学生だった。

この番組、「ROCKETMAN SHOW」は私にとっては例えばチューニングの場所であり、心の拠り所であり、帰る場所であった。

特に会社で働き始めてからは、そうだった。働いていく中で、「こんなのおかしい」と思うことに直面するだけじゃなく、さらに自らそのシステムを再生産する側にまわり、うまく振る舞わなければならない場面ができた。だから適正な位置じゃない所に触れてしまった針の位置を、ちゃんと1回もとの位置に戻すという行為として、ROCKETMAN SHOW を聞くことが私にとって必要な、大切なことだった。


ロケットマンの、感性が伸びやかに放たれるのが好きだった。

リスナーや、相づち役との呼応の仕方が好きだった。

好みが明確で、思想を持ち、自身の価値観を大切にしていて、ある意味では頑な面もあるはずだけれど、ロケットマンという人はラジオ番組の中で、多種多様な人々の息づかいを受け止めたり、引き出したり、そして愛情を示したりということをしていた。

孤高のプレイヤーのようで、時々、というか実のところ全面的に、指揮者のような役割もしている人だった。人間界の種々雑多なものを受け止めて、伸びのあるハーモニーを生み出せるような人だった。

おかげでリスナーはそれぞれの生活の場面の中にこの番組を位置づけ、思い思い色々な聞き方をしていたようだった。

 ♪   ♪   ♪

大好きだったけど覚えていない事もたくさんあるし、聞いていなかった回ももちろんあったなあ・・・。

最後から2番目の回のとき、「”背中に入れられたら嫌なもの選手権”が好きでした」というリスナーからのメールが読まれていて、そんなのあったんだ!と初めて知ったりもした。(それ絶対面白い・・・)この番組でそういう素っ頓狂な?選手権テーマが掲げられるたびに、世の中にこういう光のあて方があるものか、と新鮮に、感動的に受け止めたりした。

 ♪   ♪   ♪

終わりはまったく予想していなくて、3週間ほど前に突然告知された。

事前告知された失恋ってこういうものだろうかと思いながら、その日以降は「どうやって終わりをむかえるか・終わりに向けてどう準備するか」を考えてみたのだけど、ヒリヒリとするだけで特に何もできなかった。ただ思い出したのは、村上春樹さんが何かのエッセイで「うまくさよならが言えたときのこと」について書いていたということ。「さよならを言うことは少しだけ死ぬことだ、というレイモンド・チャンドラーの一節があり・・・」といった書き出しだったように思う。

けれど、何でもかんでも、他人の書いたものから簡単に教訓を引き出せると思ったら大間違いだ。私は番組終了を告げられた時から何度かそのエッセイのことを思い出していたのだけど、結局のところ、どうすれば素敵な「さよなら」が言えるのか、答えは出なかった。


そしてなんとなく最終回を迎えた。

ロケットマンは最後に、私たちリスナーの背中を押すということをした。

大きな海原へ出て行ってくださいと言った。

我々は押し出されてしまった。

押し出されてしまうと、それまで漠然と抱いていた恐怖や不安はすうっと、夜空の向こうの方に消えて行った。流れ星となって・・・


さようなら!

涙を流していたが、きらきらした景色を見た。

これからも、きっとそうだろうと思えた。

音楽とユーモア、愛と勇気、好奇心や純粋さ、

ただ心が痛むというような、ありのままを感じる自分の置き方、

そういったもので私たちの夜を彩ってくれてありがとう!

ありがとう!

また、始まるね。

この先、いつでもどこにいても、私たちはあの声を、音楽を、心の中に聞くことができると思います。

♪ ♪ ♪ 

2014年9月28日

ロケットマンと、スタッフの方々、関わった全ての人たちに感謝をこめて。

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